パロディ集
2001年2月28日
続 パロディ政党図鑑・めん類の巻
［脱政党図鑑の試み Part 2］
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手打ちそば
森自民党（永田ムラ”やぶ”本店）
創業４６年、キツネとタヌキが抜群の老舗大規模店。年配者にそばっ食いは多いけれど、 ずいぶん騙されてきた。麺に腰が、出し汁にコクがなくなり風味が落ちたのに、盛り合わ せの具の見栄えだけでごまかしてきたが、それも限界、かつてはそば打ち名人が腰のある そばを打ったのに、前世紀の遺物を始末せずに年越ししたから、すっかり伸びてふやけて しまった。未だにラーメンを”支那そば”と呼びたがる職人が多い和風仕立のこの店は、 ”なし崩し”や”先送り”の「手打ち」が名物。主人の代替り、店同士や政・官・業の 連携、派閥の結束などで、先日も、店主に反抗した職人を手詞ちにしたっけ（加藤の乱）。 ついには賭けまであらわれ、喩えられる(掛け）そばこそいい迷惑。つなぎの（人）材に も事欠き、これではとても食（職）に能わず。ゴルフのクラブではなく生地から打ち直し （解凍？的出直し）が急務となる。
生そば
扇保守党（”やぶ”支店扇家）
永田ムラ”やぶ”系列だが、屋号に独自性を保つ。保守を名乗るからには、家主のツヤっ けどノー天気な（？）キャラクター頼りでなく、”やぶ”そばの素材を吟味・純化（生） して、その伝統を昇華しなければならないのに、持ち味が出せない。
きしめん
神崎公明党（笹生庵）
屋号の由来は”やぶ”に寄り添う（笹藪）ところから。火ダルマになった老朽店との共倒 れや、公正・公平で大衆的なうどん屋精神からの遊離を懸念して、何事も穏やかにたいら かに、和麺三店協力体制の維持に腐心。うどんとそば、材は基本的に違うけど一つの店で 食べられる。理念の相違と場の共有、さてどちらが重い。
和麺三店は、めん汁仲間の誼みから手打ちしたものの、都会の顧客の多様なニーズに応え られるか、また老舗店の客離れを、店主の首のすげ替えだけで食い止められるか、課題が 一杯、「手打ち」が持つ、①めん類の作り方②球技の手法㈫集団結束③切り捨て、などの 多義性と昨今の政治動向は、奇妙に符号する。
そうめん
嶋山民主党（音羽屋）
大型老舗店の味が落ちて客足が遠退いても、ごの時節菊五郎のように”音羽屋！”の掛け 声は、一向にかからず。さっばりするけど、あっさりとこのまま流されそうで、心細い。 三輪ならぬ音羽そうめんブランドが、認知されるか。季節限定、寄合い所帯の制約打破と、 三代目お坊っちゃま当主のウツワが、問われる。
冷麺
小沢自由党（小沢苑）
「〇〇に瑕疵はない」の冷めた物言いは、ピリっとした唐辛子。最近の中・朝緊密化にな らい、基本の味を異にするラーメン店との蜜月まで演出して、硬直三店同盟を撃沈すべく 柔弱四店漣合の結集に生き残りをかける。焼肉パワーで、剛腕を取り戻せるか。冷麺は、 戦後ある人物（食道園）の奮闘で盛岡（岩手）の名物になったらしい。
ラーメン
土井社民党（土井飯店）
５５年体制下では北京飯店に匹敵する規模を誇ったが、今では女牲店員中心のこじんまり した店に変貌。この小店を切り盛りする主人は庶民的で、開店当時の風味を頑なに守り、 ここ１０年の市民の味覚や嗜好の変化（戦後見直し）に立ち向かう。
焼そば
志位共産党（共産軒）
中華そばを蒸した柔らかいのではなく、油で揚げた硬いほう。最近のソフト路線は、固め の掲げ麺（綱領）に具と共にとろりと掛けたあんかけ味。さらに店主の若返りで、固定客 以外の多様なパスタ風無党派層への食い込みを目論む。
そうめん・冷麺・ラーメン・焼そば、つまり和風・朝鮮風・中華風などスタイルの異なる 四店の手打ちは可能か。めん類仲間の同好会（野党）レベルならいざ知らず、バンや米も 含んだ主食全体（国）になると、残念ながらそれに相応しいリーダーは見当らないから、 かつての「オリーブの木」構想も選択肢の一つ。例えば、巷の人気投票に絶対に上がらな いけど、そぼ打ちを任せたらコクのある三☆政治を打つはずの田中秀征氏（元経企庁長官） のような隠れた達人を担いでみる。そろそろ日本にも、ワイツゼッカーやハベルのように、 下品でなく静かで知的なトップが現われてもいいころだから。
カップめん
一連の新党（即席亭）
浮気っぽい無党派層の心を捉えて一気にブームを起こしたかと思えば、ちょっとしたきっ かけからウソのように潮が引く。即席に誕生しては消えた店（党）と、渡り歩いた職人 （議員）の面々。職人大学を言うなら、先ずは議員たちの教育から。
パスタ
無党派層の人たち(パスタ・ムトーハッソーレ}
都会的で若年層に支持され、近年そばやうどんを凌駕。細いの、太いの、丸いの、四角い のと色とりどり。ムトーハッソーレは気紛れでいつもはバラバラだけど、客の好みを無視 して商売し続ける国産笹やぶ軍団を、サッカーファンのような熱い結束を以て「手打ち」 にし、グローバルで平和の香り高い「オリーブの実」を結べるか。２００１年７月の参院選 とそれに続くと想われる総選挙は、「パスタの乱」として記憶されよう。
【政党図鑑】