いわて景観まちづくり
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モデル地区における景観まちづくりの試み

  モデル地区の選定
県内の3カ所をモデル地区として選定しました。選定にあたっては、地元組織によるまちづくりの取り組みがなされていること、景観的に一定のまとまりが認められるエリアであること、外部からの支援によって景観まちづくりへの取り組みが加速されることが期待される地区であること、今後、県内の他の地区での景観まちづくりの参考になりうるような景観特性を有している-ことなどを条件としました。



花巻市台温泉地区 〈いで湯の里づくり〉
地区の特徴と事業でめざしたこと 地元の組織 外部の組織
花巻温泉近くの山間に位置する古い歴史のある温泉地。古い建物が比較的よく残っているが、近年、改築や廃業などもあり、このままでは景観的な荒廃が進むと危惧されている。歴史資源と自然資源を活かす方向での修景を進めることとし、資源を際立たせるような修景や台温泉の雰囲気に合わないものを隠すなどの手法を用いて修景を進めた。 台温泉親睦会
台温泉行政区
台温泉旅館組合
花巻工業クラブ
美しいいわて推進委員会
NPO法人ソーシャル
デザインサポート
花巻市
県南広域振興局花巻総合支局
岩手県都市計画課
奥州市江刺区中町・川原町 〈蔵の街づくり〉
地区の特徴と事業でめざしたこと 地元の組織 外部の組織
地元有志が中心となり、街なかの蔵を表通りに移築し展示施設や物産販売施設等に活用。地元資源を活用した景観からの街づくりとして注目を集めている。点から線、さらには面的な拡がりを持つ回遊性のある街づくりをめざし、蔵のある街並みに調和した官民地境界の修景、トタン塀の張り替え、ブロック塀の黒塀化、蔵町にふさわしい標示板やピクトサインの設置等を行なった。 中町商店会
川原町商店街振興組合
NPO法人ETC
株式会社黒船
江刺商工会議所
江刺A級会
美しいいわて推進委員会
NPO法人ソーシャル
デザインサポート
奥州市
県南広域振興局江刺総合支所
県南振興局地域支援課
県南広域振興局土木部
岩手県都市計画課
一関市川崎町舘萩地区 〈棚田のむらづくり〉
地区の特徴と事業でめざしたこと 地元の組織 外部の組織
山村ならではの棚田景観や里山景観などの文化景観が今なお色濃く残っている中山間地の集落。平成17年度に開催された「いわて地元学講座」がきっかけとなり、地域住民の間に自分達の集落が有する景観価値に対する意識が芽生えた。こうした動きを後押し、文化景観の保全運動やコミュニティ活動の一層の活性化をめざした。

舘萩地区行政区 NPO法人いわて地域づくり支援センター
岩手県都市計画課

  モデル地区における調査事業のすすめ方
● まず、〈美しいまちづくりキャラバン隊〉のメンバーが地方振興局及び地元市町村に協力をお願いするところからはじめ、次いで市町村の担当課職員に同行してもらいながら地元組織と話し合いの場を持ちました。
● ;調査の基本的な方向が定まったところで、幅広く地元住民にも働きかけ、〈美しいまちづくり実践塾〉を立ち上げました。
● これ以降の活動は、この〈美しいまちづくり実践塾〉が中心となって事業を展開しました。
事業の内容は次のとおりです。
1. 景観点検及び景観改善ワークショップの開催
〈美しいまちづくり実践塾〉のメンバーが中心となって景観点検及び景観改善プランの作成を行いました。
2. 景観改善プランにもとづく景観改善グラウンドワークの実施
ワークショップで検討した景観改善プランの中から、素人でもできること、1日で仕上げることができること、目に見えるかたちで成果が上がりそうなもの−などの条件を設定しグラウンドワークで実施する事業を選択しました。
*台温泉地区での〈美しいまちづくり実践塾〉の構成メンバー
台温泉親睦会
台温泉行政区
台温泉旅館組合
花巻工業クラブ
花巻市(建設部都市整備課・産業部観光課)
県南広域振興局花巻総合支局(地域支援部・土木部)
岩手県(県土整備部都市計画課)
美しいまちづくりキャラバン隊のメンバー
美しいいわて推進委員会委員
特定非営利活動法人 ソーシャルデザインサポート
その他有志
他地区でもほぼ同様の構成メンバーによる実践塾を立ちあげました。

  • グラウンドワーク:英国で生まれた市民運動の一つの形態。市民グループが行政や企業と連携し、身近な環境を改善する活動。日本では1995年に(財)日本グラウンドワーク協会が設立されました。静岡県三島市では、市民団体がグラウンドワーク方式による湧水地の復活整備などに取り組み、我が国におけるグラウンドワークのさきがけとなりました。

景観まちづくりセミナー及び景観まちづくりフォーラムへの参加
1. 美しいいわて推進委員会主催の「景観まちづくりセミナー」(平成19年2月3日)において、ポスターセッションの部門で成果を発表しました。
2. 美しいいわて推進委員会とNPO法人ソーシャルデザインサポートの共催による「景観まちづくりフォーラム」(平成19年3月3日)において、モデル地区3カ所の成果を発表しました。

地元住民を対象とするアンケート調査の実施
今回の〈美しいまちづくり実践塾〉の活動について、地域住民がどう受け止めたかを知るための全戸配布のアンケート調査を、また景観まちづくりフォーラムでは会場において参加者を対象とするアンケート調査を実施しました。